友人と会う。勝手に友人としているが、烏滸がましいかもしれない。
蔵前にあるoursは以前に日本橋兜町のcavemanでシェフをやっていた方が開いたお店。形態が変わっても、そのテイストはしっかりと残っていて、うれしかった。おいしくて頬が自然とゆるむ。
そのあとは荒唐無稽な散歩に付き合ってもらう。夜のスカイツリーは人が少なくておだやか。歩きながらお酒を飲むなんて、私のイメージではなかっただろうか。でも本当の私なんてどこにもいないから。そして、本当の貴方も。
これまで経験してきたであろうくるしみのことを、勝手に想像する。これからは、これからも、だれにも傷つけられずに、やさしい世界のなかで、安心して息をしてほしい。これは野暮で傲慢な願いだ。届かなくてもいい。
コオロギが鳴いている。口内炎の痛みも、頭痛も、いつの間にかおさまっていた。