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もし今の案件がずっと続くならきっと私は遠くないうちに仕事をやめると思う。

 

夕食をつくる気力は一切なくて、近所のバイト先でご飯を食べるためにシャワーを浴びて身なりを整える。平日の遅い時間だから席に余裕はあると思っていたけれど、お店にはまだお客さんがたくさんいたのでそのまま家に帰る。お客さんがたくさんいてくれてよかった。そこは職場であると同時に私の大好きなお店で、できるだけ長く続いてほしいから。

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先日新幹線に乗ったとき、北上するにつれて車窓を占める桜色の割合が少しずつ増えていってよかった。その日の仙台は桜が満開だった。それが必然かのように。

 

私は貴方の人生やその幸せに対して責任をもてない。だからどんな言葉も意味をなさない。でも私には言葉しかないから、どうすることもできなくて、それがひどくかなしい。

 

家から出られなかった。シャワーを浴びることすらできない。

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三年目にして初めての出社。満員電車は最悪で、気持ち悪くなり途中で降りて歩いて帰る。これがしばらく続くんだ。本当にいやになってきた。すべてを終わらせる。

 

担当の案件が変わるだけで仕事内容も雰囲気も人の気質もなにもかもが変わるのでほとんど転職に近い。周りの人はみんな仕事ができるのですごい。仕事ができないのは私だけ。

 

動悸がする。私はいつもなにもできない。誰かのなにかにもなれない。救いたいという気持ちは救われたいという気持ちと紙一重だ。本当は私が貴方に救われたかったのかも。

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なにを伝えてもすべて私のエゴでしかない。私がなにかを言う権利も資格もない。お土産の賞味期限の日付が意味をなしてほしい。

 

晴れていてあたたかく、風もない。遠くまでつづく桜と、広い青空にまっすぐと引かれた飛行機雲のこと。

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髪がかなり長くなってきたけれど、友人の結婚式に合わせるために美容室に行くのを我慢する。前髪をすべて上げて固めたあとにバイト先からお休みの連絡がくる。友人を散歩に誘おうとしてやめる。しょうがすら売っていないスーパーマーケット。牛すじを煮込む。