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今の上司は深掘りすることを「ディープダイブする」という。案件が変わるだけで毎回転職したような感覚になるが、それがいいことなのか悪いことなのかはわからない。

 

引きこもりだった著者はワーホリで海外に行ったという。文章の端々から経済力の豊かさ、その背後にある実家の太さのようなものが見え隠れしていやになる。世界は誰にでもひらかれているわけではないんだ。

 

大井町線はいつも空いていてうれしい。

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新入社員の自己紹介をながめながら、私にはなにもないなとおもう。

 

今日は仕事をせず五冊ほど本を読んだけれど、それらの感想も、そもそも何の本を読んでいたのかさえはっきりと思い出せない。私はそんな本の読み方しかできなくなってしまったのだろうか。刹那的な快楽の享受としての。

 

岸政彦著『にがにが日記』がよかった。でも最後の愛猫を失う数ヶ月の部分は読むのがつらかった。もしも愛猫を失ったら、私はひとりで立つことができるのかな。人のすくなくなったシェアラウンジでぽろぽろと泣く。

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昨日の深夜ずっと考えてもわからなかった問題は朝起きると嘘のようにすんなりと解けた。眠っている間もずっとその問題について考えていたような気がする。ちゃんと休んでほしい。

 

カルディの台湾フェアに行くためだけに身なりを整えて外に出る。台灣啤酒の緑色がかわいい。

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桜、桜。春の呪いはしぬまで解けないが、このままでいい。

 

謎解きのイベントにいく。服に書いてある暗号を解かなければその服が買えないアパレルショップというコンセプト。私は昔からずっと謎解きが苦手で、今日もノーヒントで解けた問題はほとんどなかった。でも一時期より謎解きに対する苦手意識は少なくなったような気がする。謎解きは地頭の良さというより踏んだ場数でなんとかなるということがわかる。店員さんのヒントの出し方やお客さんとの距離感がすごく適切で、謎解きを楽しんでほしいという気持ちが伝わってくる。それがすごく心地よくてうれしい。すてきな謎がデザインされた服を購入。

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「猫の脈拍がもっとゆっくりだったらいいのに」という言葉をみかけて、今日はいい日になりそうと思う。

 

二人分の賄いをつくったシェフは綺麗に盛り付けられた方を当たり前のように私にくれる。

 

フィナンシェ作りを失敗して食材に申し訳ないとこぼすと、フィナンシェもいいよと言っているよと友人が伝えてくれてすくわれる。フィナンシェの声を代弁してくれる友人がいるありがたさ。

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仕事をしていない。なんとなく外に出ようと思って身なりを整えた瞬間にすべての気力がなくなり布団にもどる。

 

だめな精神状態でフィナンシェをつくろうとして薄力粉を入れ忘れる。通常ではない精神状態のときにお菓子をつくってはいけない。増大する虚無。祈りながらねむる。