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乗り込んだ電車の車両ではすべての乗客が一人分の間隔をあけて座っていて、それは少し異様で綺麗だった。私はその空間の均衡を壊したくなくて、ドアのそばに立つ。同じタイミングで一緒に乗り込んできた人も立っている。

 

フィクションの夏をすごす。