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在来線を七回乗り継ぎ大阪から東京に帰る。好きな音楽を聴いたり映画を観たりしながら移り変わる景色をぼうっと眺める時間がすき。不規則と規則を繰り返すジョイント音や新幹線よりつよい揺れも心地いい。時間はかなりかかったけれど、かけた時間こそが旅の本質だからね。

 

ボックス席の目の前の人がお弁当を食べている。人がなにかを食べている光景はたまにすごくグロテスクにみえる。摂食のもつ残虐性を包み隠してくれるものがマナーであり所作なのだと思う。それとは関係なく私はボックス席が苦手で、そもそも目の前の人と向き合うのがあまり得意ではないし、飲食店でもほんとうは横並びがいい。

 

仕事が落ち着くであろう三月ごろにまた旅をしたい。旅の予算超過による経済的困窮こそが明日からの仕事の活力になる。食費は削っても別にどうということはないが、旅は行かなければ死に至るので必要経費として計上する。