日記
現像した写真が届く。半分以上はピントも合っていないし光量も足りていないけれど、そんな写真たちが愛おしい。うつくしい記憶が形として残ることがうれしい。最近はスナップよりもポートレートを撮る方が好き。好きな人のことをずっと撮り続けていたい。 製…
常連さんと一緒にバイト先にいく。店員としてではなく一人の人間として慕ってくれていることがうれしい。ラビオリを初めて食べた。丸くてかわいい。おいしい。
何もしていない。すべての休日に生産性が必要というわけでもないから。 友人からもらった服を捨てられない。
今日のまかないは桜エビと長芋のジェノベーゼパスタ。メニューに入れたほうがいいよ、と言う。
三秋縋作『さくらのまち』を読む。すべてがちぐはぐで噛み合わない。春、手遅れになった幸せがのかたち。祈るように、急くように、ページをめくる。祈りは届かない。もう一度読み直したら違う結末が待っていてほしいと、そう願わずにはいられない。最近はこ…
仕事中にずっと海外の配信を流している。うまく聞き取れないのでノイズにならない。聞き流しているうちにいつの間にか英語を聞き取れるようにならないかな。そんなに甘くない。 なにもできない。変な時間に眠り、変な時間に起きる。部屋をすこし片付ける。
知らない通行人にお金を騙し取られそうになる。嘘をついている人間は目でわかる。それに彼の言葉には言い淀みがなかった、まるでその台詞を言うのが初めてではないように。この人はこうやって多くの人の善意につけ込んで小銭を稼いでいるのだろう。吐き気が…
フィルムを現像に出す。出来上がるのがすごく楽しみ。私は写真が上手ではないけれど撮るのがすごく好き。だから私はこの行為をずっと続けると思う。意味がなくても。 雨だけどあたたかい。雨だから?
頭がうまくまわらない。うっすらとしたかなしみの膜が張っているような感覚。これは旅から帰ってきた翌日の体調だ。ホットココアを飲んでねむる。
私はあと何回ガソリンスタンドでボンネットを開けて恥ずかしい思いをすればいいのか。 湖畔の静けさ。深い青。冷たい空気にはどこか神聖さがある。 そうして旅は終わる。渡してくれた言葉のすべてを忘れないと思う。私の本を一番最初に読んでくれた人が貴方…
風がつめたくて、すっかりホットコーヒーの季節だ。冷めてもおいしくてうれしい。 イベントが終わり、全身の力が抜ける。帰ることを考えたくない。
旅に出ているので日記はおやすみ。 たとえば私が寝ているときに物音を立てないようにしてくれるといった優しさのこと。
昨日観た映画のことをずっと引きずっている。喪失の傷跡が瘡蓋になるまでの時間。 仕事を終えて新幹線に乗り込む。防寒もばっちり。
『ロボット・ドリームズ』を観る。ロボットと人間(または人間的感性を待つ生物)が登場する物語は画一的な結末を迎える傾向があるけれど、この作品はそれとは一線を画している。物語の中でここまで現実のままならなさを表現するのはある種の誠実さそのものだ…
好きな創作者が手首を切っていてくるしい。私は傲慢だから、好きな人に生きていてほしい。それは、私自身に希死念慮があることとは関係がない。でも彼には彼にしかわからない苦しみがあることを知っている。それを理解できなくても。手首を切ったことのない…
冷たくて強い風が苦手。怒られているような感じがして。 下北沢K2で『フィクショナル』を観る。信頼できない語り手の物語。当事者意識が極端に希薄な主人公に見覚えがある。私もああやって狂っていくのだと思う。虚実曖昧な世界で私たちはなにを信じたらいい…
昨日は仕事終わりにシェフがバーに連れていってくれた。店長はシェフの幼馴染で、私も何度か話したことがある人だった。お店は看板もなければシャッターも半分閉まっていて、知らなければそこがお店だと絶対に気付けないし、もう一度行こうと思ってもおそら…
今日は心がだめな日です、とシェフに伝える。無理をしなくてもいい環境は自分で作る必要があるのかも。 お酒ですべてがわからなくて、なにも文章がかけない。
昇給した。仕事をやめたい。私の仕事のできなさに相手が呆れているのがわかる。もう私になにも求めないでほしい。給料が低くてもかまわないから。 夜に働きたいとずっと思っている。深夜だけやっている喫茶店やパン屋さん。酔っ払いがいない世界のタクシー運…
神保町ブックフェスティバルにいく。こんなにたくさんの出版社があって、こんなにたくさん本が好きな人がいるんだ。すごいことだ。レコメンドアルゴリズムの束縛から離れた場所で、 気になった本を何冊か買う。 大好きな喫茶店にいく。店主の方がお土産をお…
俺は君が思っている以上に君のことを信頼しているんだよ、と言われて泣きそうになる。 明日はどこにいこうか。私はどこにだって行けるから。
友人とお酒を飲んでいたら深夜三時。今日は仕事を頑張ったから、たまにはこんな日があってもいい。
渋谷から歩いて帰るには少しだけ遠すぎるかな。 そんなことなかった。心地いい空気が肌を撫でてくれる。ずっと歩けるような気がする。
通院、満員電車。とても遅延していて、今乗っている電車の定刻がまったくわからない。 最近は脳のワーキングメモリが著しく不足していて、言われたことをすぐに忘れて何度も同じミスをしてしまう。私はきっと接客業にも向いていないね。感情的に怒られるより…
ずっとなにかに怯えている。何に?私はもっと安心してもいいはず、なのに。
たくさん眠る。風邪がすこしよくなった気がする。毎日ふつうの人みたいに眠れたら。 昨日買った本が今日届く。小さな郵便受けにぎゅうぎゅうにして詰め込まれたそれは、読む前からひどい折り目がついていて、すこしかなしい。
市ヶ谷にある本と活字館にいく。たくさんの紙から自分の好きな紙を選んで見本帳を作れるのがうれしい。ショップで思い出す人がいる生活のことを愛している。 東京は冷え込んでいる。地元では初雪を観測したという。
今日はなにもうまくいかなった。とても高級なスパークリングワインを間違って開栓したりしていた。仕事終わりにシェフがご飯に連れていってくれて、いろいろなことを話して、すこしだけ大丈夫になる。私はほんとうに周りの人に恵まれているね。ひとりじゃな…
風邪の匂いがする。明日のバイトに支障がなければいいな。 最低な世界で私が狂わずにいられるのは貴方のおかげだね。
目が覚めて天井がはっきりみえるとどきどきする。コンタクトレンズを付けたまま寝てしまったんじゃないかと思って。 薬の副作用でおかしな味になってしまったコーラを飲む。前に音がおかしくなった時にも感じたけれど人間の感覚器ってかなりてきとうだ。目の…