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暑い。気が狂う。

 

映画『はだかのゆめ』を観る。私は舞台となった四万十を訪れたことはないけれど、小さいころ地元でみた景色とよく重なり泣きそうになる。物語は輪郭がなくぼやけていて、空白も多い。そんな不確かな世界だからこそ、親と子の互いの想いだけがはっきりと浮かび上がる。おそろしく幽玄な情景の中で。

 

私はどうしても物語を構造分析的に観てしまうし、これはもう手癖なのでどうしようもない。昔からずっとストーリーラインだけを摂食するような物語の楽しみ方をしていたけれど、最近はそれが少しずつ変わってきたような感覚がある。

 

今日はずっと目の調子が悪くて光が滲んでいて、それが映像をより幻想的なものにしていてよかった。ずっと夢をみている。