255

過剰なインプットはアウトプットのハードルを上げてしまう気がする。私が短歌のようなものをつくったりそれを公開できるのはインプットが極端に少ないからであり、自身の成果物の稚拙さに気づきにくいから。今後もし短歌を勉強することがあれば私は私のつくった短歌のようなものを自身の手で抹消するのだろう。

 

観るコンテンツが枯渇したのでバラエティ番組を観る。特殊な姿に扮装した状態の演者を撒き、その後の行動を観察するといった企画だった。携帯もなければ財布もない彼らは当然困惑し、強い羞恥を抱えながらも人々の助けを借りて家に帰る。 それを観て笑うスタジオの演者がすこしだけおそろしかった。それは、安全な場所から弱者を嗤笑する強者の構造のように思えた。私はその番組を観るのを途中でやめた。