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幌加内のそば祭りに行く。店主のようなひとがボランティアの地元の高校生に怒鳴っていてかなしかった。蕎麦はおいしかった。

 

死の気配が濃くなった大好きな親戚に、私より先に死なないでね、とおもう。この祈りはきっととどかない。

 

帰り道のキャリーバッグは重たくて、この質量の増加は紛れもなく純粋な愛だと思う。泣きそうになる。

 

冷蔵庫のない部屋に帰る。水道水はぬるい。