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家から出ていない。石油ストーブがあたたかいため。

 

膝の上で眠る黒猫の首元に白髪をみつけて、あのころから長い時間が経っていることに気づく。一緒に暮らしはじめてすぐのころ、私に余裕がないせいでたくさん遊んであげられなかったり、深夜の数時間しかそばにいられなかったことを、彼はまだ覚えているのだろうか。膝の上のあたたかさに泣いてしまう。健康でいてくれてありがとう、私より長くいきてね。