2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

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誰かと一緒に住んだら日記が書きにくくなる気がする。私がこの文章をどんな表情で書いているのかを、ぜったいに誰にも知られたくない。 遠くに行くための飛行機に乗っているときだけ正気でいられる。やりすごすだけの日々。 前から来る人間を絶対に避けない…

135

ずっと逃げ場所を探している。放課後の屋上とか、人のいない河川敷とか、真夜中の海とか。もはや何から逃げているのかもわからない。ただひたすらに毎日がくるしい。

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単純な好きでは言い表せないような特別な感情を想起させるモノ・人・事象からはあえて少し距離を取るべきだ。私は幼稚園のころ好きな色のクレヨンからなくなっていくのがさみしかった。

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目の前の本棚に大学時代に読んだ本がたくさんある。それらは研究のために読んでいたものであり、不思議と内容をあまり思い出すことができない。物語に没入すると本質を見落とします、という恩師の言葉を思い出す。今度は研究から離れた場所で本質以外をとら…

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最近は航空無線をよく聞いている。通信の中では操縦士と管制官の母国語の違いや音質の問題などから、相手の意図がうまく伝わらないことがよくあるようにみえる。その中で彼らはうまく聞こえなかった箇所について理解できるまで何度も聞き返し、相手の言葉を…

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同じ年齢の友人たちが次々と親になる様子を遠くから眺める。私は出生主義でも反出生主義でもないけれど、自分以外の人生の幸せに対して責任を持つことがこわいから、親になるにはあまりにも未熟すぎると感じる。あたたかい家庭で私を育ててくれた彼らをほん…

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最寄駅の電車があまり混んでいなくてうれしい。寝過ごすと県をふたつ跨ぐ。 別れる時に「貴方よりもっといい男の人がいると思うようになった」と言われた友人の話をききつらくなる。仮に私がそんなことを言われたら確かにそれはそうだと思うし、なけなしの自…

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遠い記憶だけが輝いている。生きているだけで光を失う。 雨の日の夜に全身黒の服装で外に出ると自分がどこにもいなくなったみたいで安心する。このまま溶けていなくなりたい。終電で海に行ってどうにでもなりたい。

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気圧によってすべてがだめになり、シャワーを浴びることすらできない。手首から微かに香るwhen the rain stopsのラストノートがとても好き。あと名前も。 急に人と仲良くなると急に離れてしまいそうでこわくなる。私はいまだに人との距離のはかりかたがわか…

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無価値なものを作り続ける、という純然たる虚無。すべてを終わらせる。 仕事で高校の同級生と再会する。地元とは遠く離れた場所で。 誰もいない日比谷公園で、気の合う友人とコンビニで買ったお酒を飲む。それはどんないい居酒屋よりも心地がよくて、ずっと…

126

私たちが叫んだ瞬間、隣の部屋からも叫び声が聞こえ、同じ映像をみていることがわかる。 東京にきてから靴底の摩耗速度がとてもはやくなる。友人と話しながら歩いていると、このままどこまでもいけそうな気持ちになる。

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野菜がたくさん届く。すべて廃棄される予定だったものらしく、すこしいいことをした気持ちになる。 指を火傷し、冷たい左手をずっと握っていた。

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手順2で間違っていたことに気づかず最後まで組み立てたキャビネット、ほとんど私の人生みたいだ。修正はきかず、扉も開かない。 自分がやらなければ!という仕事のマインドを捨てよとのアドバイスをもらう。たしかに自分がやらなくても仕事はなんとなくうま…

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日程管理能力が著しく欠如しており、こういうちいさなミスの積み重ねで死に至る。 ホームで外国人に「次に来る電車は大崎駅に行きますか?」と聞かれた。私は肯定し、彼は笑って私に感謝を伝えた。このときの彼の表情や、彼がその後どうしたのかをずっと考え…

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交通手段としての電車を好きになれない。きっと美しかったころの記憶の中に電車が存在しないから。

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つかれて頭がぼうっとする。空腹と吐気の区別がつかない。眠れないからといってずっと起きて活動をするという判断は誤っていたのかもしれない。

120

最近は左瞼がずっと痙攣している。身体はこんな必死に不調を知らせてくれているのに、当の本人は知らないふりをしていてごめんね。 お悩み相談をしていた音楽家が「全部音楽にすればいいのに」といっていてよかった。

119

どれだけ仕事が忙しくても、部屋が荒廃していても、精神的に余裕がなくても、コーヒーを淹れたあとにネルを掃除して水に浸すことだけは必ずやる。これが最後の砦かもしれない。 母親にキスをねだる子どもとそれに応じる母親の、彼らの背後にあるスーパーの灯…

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「ぬるま湯」がネガティブな文脈の中で使われることに対する違和感。ひとにとって一番心地のいい温度なのに。 最近はなにかに取り憑かれたように冬虫夏草の動画ばかりみている。あんなに奇麗になれるのなら、寄生されるのも悪くないかもしれない。

117

ポンモンセンターで働くということの、理想と現実のギャップを勝手に想像したりする。

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お金を立て替えるときは返ってこないものだと思っているので、きちんと返ってくるとかなり驚くし好きになってしまう。 お金のことで悩むのはださいと思っているけれどきっと全然そんなことはない。

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今の役職以上の成果を求められているのに貰っている給料は今の役職のままなのはおかしいということに言われるまで気づかなかった。たしかに。 引っ越してきた日、ガスを開栓してくれた業者の人に「お兄さんはほんとうに愛想がいいですね」といわれたのを思い…

114

生きたいように生きられないが、生きたいように生きるともれなく死に至る。でも生きたいように生きない道を選んだってどうせ死ぬのでそれが少し早まるだけなのでは。大人になったら縛られずに生活が送られるようになると高校生のときの私は思っていたけれど…

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私は他人によく気を遣ってしまうけれど気遣いができる人間にはなれない。気遣いができるというのは気を遣った結果相手が良い気持ちになるという点までを含んでいる。 日記を続けるように部屋の掃除を続けたい。ロボット掃除機が動けなくならないように。

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今住んでいる地域、夜に歩くと心がざわざわすることがある。吉凶はわからない。 現像から帰ってきた写真をみて古い記憶を呼び起こされる。 今起きている悪いことはすべてハッピーエンドの伏線だというけれど全然そんなことないんだよな。それで得た相対的幸…

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忘れた頃に撮ったフィルムを忘れた頃に現像し、忘れた頃に現像完了の電話がきた。

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どこに行くかを決めず通りがかったお店で食べたお昼ごはんが美味しくてうれしくなる。 友人が家から帰ったあと、鍵のノブをゆっくりと回す。決して音を立てないように。鍵をかけたことを、友人に悟られないように。

109

買ったばかりのディスプレイがついたりつかなかったりする。この部屋になにかがついているのかも。 今日はぜんぶがダメで、ご飯すらもたべられない。

108

昼過ぎに注文した商品がその日の夜遅くに配達され、なぜか申し訳ないような気持ちになる。お急ぎ便があるのなら、ゆっくり便があってもいいと思う。近くを通る機会があればそのついでに配達してね便。

107

外の空気がぬるくておどろいた。東京の冬をあまり好きになれなかった。 仕事が少しだけ落ち着いていて、最近はよく眠ることができている。けれど来週からはいつもどおり。