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仕事終わりにだいすきな古着屋さんにいく。珈琲と煙草の匂いに安心する。素敵な靴と目が合ったので手に取ったら「それを品出ししたとき、きっと君が手に取るんじゃないかと思った」と言われてどきっとする。私が女性だったら惚れているところだった。

 

ファスナーが壊れていて売りずらいから、と言ってブラウンのレザージャケットをくれる。それは私にとってすごく高価だったのでかなりおどろいてしまう。ファスナーもやや調子が悪いくらいで決して壊れてなどおらず、それが渡すための口実であることがわかる。

 

私はあまり店員さんと仲良くなるようなタイプではないし、まして店長は私よりずっと年齢が上なのに、一切敬語を必要とせず友達のように接してくれる店長がとても好き。それはきっと私に対してだけではないけれど別に構わない。